Categories
Related Site
yabuniramiJAPAN
yakiu-no-uwagoto
kasagiStyle(coming Soon)
『ハナ肇とクレージーキャッツ』に関する、初歩的な質問やよくある疑問をQ&A方式でまとめてみました。これを読めば、あなたもちょっとしたクレージーマニアの仲間入りです。ではどうぞ!

【Q1】そもそもクレージーキャッツって、何者?
クレージーキャッツをひとことで説明するなら、コミックバンドになると思います。もちろんグループとして、また個人としてコメディアンであったり、俳優活動をしていますが、ほんらいの姿というか≪出≫はコミックバンドで間違いありません。

【Q2】クレージーキャッツが活躍してたのって、いつ頃の話?
「ハナ肇とクレージーキャッツ」の前身である「キューバンキャッツ」が結成されたのが昭和30年のことです。おおざっぱに活動を分類するなら
・昭和30〜33年 米軍キャンプ、ジャズ喫茶などでの、バンドとしての活動期
・昭和34〜36年 コメディアンとしてテレビに進出
・昭和37〜43年 映画・テレビ・舞台にと活躍。いわゆる絶頂期ってやつです
・昭和44〜47年 人気下降期
となります。
昭和48年以降は、グループとしての活動はほとんどなくなり、昭和50年代以降グループとして活動する場合は「再結成」的なニュアンスで報じられるようになります。
ただし現在でも「ハナ肇とクレージーキャッツ」は正式には解散しておらず、グループ活動がなく、メンバー数名が鬼籍に入った今でも、グループ自体は現存しています。

【Q3】クレージーキャッツのメンバーを教えてくれ
くわしくは≪Person≫をみていただくとして、簡単にメンバーを紹介したいと思います。

・ハナ肇(ドラム)
クレージーキャッツのリーダー。山田洋次の初期の作品で「粗暴だが気のいい人物」を好演。ヒットフレーズは「アッと驚く為五郎!」後年は『新年かくし芸』の銅像役が有名。
・植木等(ギター・ヴォーカル)
ご存知、無責任男。ヒットフレーズは『お呼びでない?』
・犬塚弘(ベース)
グループ創設時からのメンバー。ヒットフレーズは特にないが、異様に長い手足をいかしたギャグを得意とした。現在でも俳優として活躍。
・石橋エータロー(ピアノ)
尺八の名手・福田蘭童の息子。幼少のころより習っていた日本舞踊の動きをいかし、女形を得意とした。昭和46年に料理研究家転進のため、クレージーキャッツを脱退。
・安田伸(サックス・クラリネット)
東京芸術大卒の秀才。美容研究家の竹腰美代子と結婚したところから、ヒットフレーズ「みよこー!」がうまれた。
・谷啓(トロンボーン)
コメディアンとして有名になる前から、腕前を高く評価されたトロンボーンの名手。すこぶる気が弱く、そのくせ無意識の加害者になるというような役を得意とした。ヒットフレーズはもちろん「ガチョーン!」
・桜井センリ(ピアノ)
メンバー最年長。昭和36年、ピアノの石橋エータローが倒れたためピンチヒッターとして加入。その後正式メンバーになる。ヒットフレーズは金鳥CMで放った「ルーチョンキ!」

以上の7人が全盛期のメンバーです。まだメンバーが固まっていなかった時期には、のちの『スーダラ節』をはじめとするクレージーソングの作曲者の萩原哲晶や、今やジャズ界の第一人者といってもいい稲垣次郎などが在籍していました。

【Q4】「(ハナ肇と)クレージーキャッツ」、「クレージーキャッツ」、「クレイジーキャッツ」など、いろんな表記があるけど、どれが正しいの?
えー、どれも正しいです。
当時はテレビや舞台では「クレイジーキャッツ」、映画では「クレージーキャッツ」と表記する場合が多かったようです。また初期の頃には「クレージィキャッツ」という表記も見受けられます。
(結成10周年記念映画『大冒険』(1965 東宝・渡辺プロ)のオープニングでも「クレージィ」となっている)
また「ハナ肇と」とつけるかどうかも正式な決まりはなく、カチッと書こうとするならつけた方が無難でしょう。さらにいえば「クレージー」と「キャッツ」の間に「・(中黒)」が入るかどうかも、わりとアバウトです。
ちなみにここのサイトでは「クレージーキャッツ」に表記を統一しています。

【Q5】クレージーキャッツのバンドとしての腕前は?
これは結構統一された評というのがなく、かなりバラバラですが、総じていうなら(当時のレベルと比較して)「ふつう」となると思います。
文句なしに評価が高かったのが、トロンボーン奏者の谷啓で、当時の『スイングジャーナル』誌の人気投票でも、谷啓は何年か連続でベスト5に入っています。
ハナ肇は総じて「うまくない」という評が多く、植木は「味があった」という評こそあれど、ギタリストとして論じられたことは皆無といっていいでしょう。
他の4人も奏者としての評を見かけたことはありませんが、谷啓は桜井センリのピアノを高く評価しています。
ただ確実にいえるのは、ふつうのバンド演奏に加えてコミック的な要素を加えるのは、それなりの技量がないと不可能なわけで、それらを総合すると、けして下手ではなかったようです。

【Q6】クレージーキャッツのやっていた音楽のジャンルは?
スイングジャズになるのでしょうか。当時はロックやドドンパなどニューリズムがどんどん入ってきた時期で、けして最先端のバンドというわけではなかったようです。

【Q7】代表的なクレージーソングを教えて!
まずデビュー曲にして、現在も有名な『スーダラ節』、映画『ニッポン無責任時代』(1962 東宝)の主題歌となった『無責任一代男』、ムード歌謡から転調してツイストリズムになる『ハイそれまでヨ』といったあたりでしょうか。これ以外にも志村けんがリバイバルヒットさせた『ウンジャラゲ』、数年前『こち亀』のオープニングテーマにも起用された『だまって俺について来い』も有名ですね。

【Q8】クレージーソングって、演奏もクレージーキャッツがおこなってたの?
レコードテイクに限れば「ノー」です。またテレビ番組や大きな舞台などでもジャズ系のフルバンドが演奏していたそうです。
小さな営業ではクレージー自身が演奏したことがある可能性もありますが、現状ではわかっていません。

【Q9】クレージーソングって、当時どれくらいヒットしたの?
当時はまだオリコンが発足しておらず、正確な枚数は不明ですが、デビュー曲の『スーダラ節/こりゃシャクだった』が「50万枚をこえた」という記述があります。2004年で一番売れたシングルCDが平井堅の『瞳をとじて』が80万枚をこえた程度ですので、この手のレコードとしてはかなりの大ヒットといえるでしょう。
ちなみに最後のヒット曲といわれる『シビレ節/何が何だかわからないのよ』が11万枚の売上枚数といわれています。

【Q10】クレージーキャッツの映画について教えて!
グループとしての主演第一作は『クレージーの花嫁と七人の仲間』(1962 松竹)というのがあります。しかしこれは松竹とクレージーのカラーがマッチしない人情喜劇で、興行的にも失敗だったようです。(余談ですが、この映画の中心メンバーはハナ肇でした)
しかし元来サラリーマン物を数多く撮り、モダンな作風を得意とした東宝が製作した『ニッポン無責任時代』(1962 東宝)が大ヒット。これ以降、東宝にてクレージーキャッツ、もしくは植木等主演で30本の作品がつくられました。これが通称:東宝クレージー映画と呼ばれています。
東宝以外でも松竹ではハナ肇主演の『馬鹿』シリーズや『一発』シリーズ、東映で谷啓主演で『図々しい奴』(正続編)や『競馬必勝法』シリーズ、大映で犬塚弘主演の『ほんだら』シリーズが作られる等、各映画会社をまたがってメンバー主演映画がつくられました。
また、谷啓主演で『空想天国(1968 東宝・渡辺プロ)などがつくられましたが、これはさきの東宝クレージー映画シリーズとは峻別されています。

【Q11】名物監督だったっていう、古澤憲吾ってどんな人だったの?
東宝クレージー映画で全30本作中、13本で監督をつとめた古澤憲吾。
とにかく伝説の多い人で、あまりの猛烈な演出ぶりは「シャボン玉ホリデー」のキントト映画コントのモデルといわれています。
パレンバン落下部隊の生き残りであるとか(真偽は不明)、全身白ずくめで撮影所にあらわれたとか、高速道路を逆走したとか、奇声を発するので隠し撮りができないとか、もうホントにいろんなエピソードがありますが、古澤憲吾にかかわった各人のコメントをきくだけで十分な気がします。
・藤本真澄(東宝プロデューサー)「あれは撮影じゃなくて、運動会だ」
・青島幸男「主題歌の打ち合わせでは目立った言動はないが、撮影に入ると酒乱が酔っぱらったみたいになる」
・谷啓「あの監督はなんでも元気よくやればいいみたいよ」
・植木等「オレたちを撮るより、監督を撮った方がおもしろい映画ができる」

【Q12】クレージーキャッツをリスペクトしている人を教えて!
まずはドリフターズの面々。とくに志村けんと加藤茶、いかりや長介ははっきりと「植木等を尊敬している」といっています。他に笑い関係では所ジョージが有名でしょう。
しかし実はミュージシャンにリスペクトしている人が多く、実際に植木等のプロデュースをつとめたりしている大瀧詠一、谷啓をフィーチャーしたり、『無責任一代男』をサンプリングしたり、挙げ句『こりゃシャク』という曲までつくっているスチャダラパーなどが有名です。
また演劇界では現在『釣りバカ日誌』で谷啓と共演している西田敏行は何度もクレージーを絶賛しています。

【Q12】SMAPがクレージーを目指してたって本当?
これはジャニー喜多川が「SMAPを平成のドリフターズにする」といった発言からきていますが、実際にはドリフよりもクレージーを参考にしていたことは明白です。ジャニーズ事務所初のタレント、ジャニーズは『シャボン玉ホリデー』にレギュラー出演しており、そのイメージがあったのではないでしょうか。
しかし1997年に放送された『僕が僕であるために』(フジテレビ)で木村拓哉の父親役を植木等が演じたあたりで一区切りつけ、以降はまったく別の目標をたてたと考えるのが自然でしょう。

【Q13】『日本一の無責任男』ってどんな映画?
これはクレージー初心者に一番ありがちな勘違いです。『日本一の無責任男』という映画は存在せず、おそらく『ニッポン無責任時代』と『日本一』シリーズがごっちゃになったのでしょう。ちなみにタイトルに『無責任』とついているものは『ニッポン無責任時代』(1962 東宝)、『ニッポン無責任野郎』(1962 東宝)、『クレージー作戦・くたばれ!無責任』(1963 東宝)、『無責任遊侠伝』(1964 東宝)、『花のお江戸の無責任』(1965 東宝)、『クレージーの無責任清水港』(1966 東宝・渡辺プロ)の計6本です。

【Q14】クレージーソングといえば音頭ですよね?
これもありがちな勘違いです。完全に音頭調のものはかなり少なく『馬鹿は死んでも直らない』、『無責任数え唄』、『人生たかが2万5千日』、『二十一世紀音頭』など数えるほどしかありません。
またタイトルに『〜節』とついているものが多いせいか、民謡調のものが多いと思われている人もいますが、クレージーソングの基本は<スイングジャズ+マーチ>であり、『スーダラ節』や『ドント節』も民謡というより<ジャズ小唄の現代的解釈>といったものです。

【Q15】クレージーのコントって自分たちで考えてたの?
初期は谷啓が考案することが多く、メンバーで練り上げていったそうです。
しかし本格的に売れてからは塚田茂や青島幸男、河野洋などのブレーンがコントをつくっていました。ただ楽器を使ったコントは譜面が必要になるため作家はつくれず、これだけは谷啓がつくっていたようです。

【Q16】まだクレージー映画ってみたことないんだけど、どれからみればいい?
東宝クレージー映画は残念ながら数本しかビデオになっておらず、おのずと限られてくると思うのですが、現在レンタルビデオ屋でかりれそうなタイトルでいえば、まずは『日本一の色男』をおすすめします。
では『日本一の色男』が置いてない場合、これはいきなりですが、最高傑作との誉れ高い『ニッポン無責任野郎』か、破天荒な植木等が楽しめる『日本一のホラ吹き男』あたりでしょうか。
どうしても第一作『ニッポン無責任時代』や、円谷英二が特技監督をつとめた大作『大冒険』に手が伸びるんじゃないかと思いますが、この2本は「誰がみてもおもしろい作品」とはいえないので、最初にみるのは避けた方が無難です。
なお、レンタルビデオ屋のクレージー映画のコーナーに『スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねぇ』や『サラリーマンどんと節 気楽な稼業と来たもんだ』といった大映作品が並んでいることがままありますが、これらはクレージー主演ではなく、クレージーは出てくるものの出番は非常に少なく期待を裏切られることになります。

【Q17】レンタルビデオ屋の山田洋次監督のところに、ハナ肇主演の映画があったんだけど
山田洋次監督、ハナ主演の作品はどれもクオリティが高く、どれもそれなりにおすすめできます。ただなにしろ『男はつらいよ』の山田洋次ですから当然好き嫌いはあると思います。
最初にみるのなら『喜劇・一発勝負』がいいのではないでしょうか。人情物が好きなら『なつかしい風来坊』もおすすめです。

【Q18】あのさぁ、なんつうかカルトっぽいクレージー映画ってないの?
あります。昭和43〜44年には昭和元禄の時代色が反映されたクレージー映画がつくられています。
植木等主演ものなら『日本一の裏切り男』、『日本一の断絶男』、ハナ肇主演なら『喜劇・一発大必勝』、谷啓主演なら『奇々怪々・俺は誰だ?!』、全員主演なら『クレージーの大爆発』といったあたりです。
ただし『喜劇・一発大必勝』以外の作品はビデオになっておらず、ぴあ等でマメにチェックして上映されている映画館を探すか、CSで放送されるのを待つしかありません。

【Q19】とりあえずクレージーソングってのを聴いてみたいんだけど、どのCDを買えばいい?
まずは『クレージーキャッツ コンプリートシングルス』のHONDARA盤を買いましょう。クレージーが勢いがあった時代の曲が網羅されています。もしアナログ盤ならではの曇った音が苦手ならHARAHORO盤を。HARAHORO盤は末期〜1990年代の曲が中心ですが、大ヒットした、ヒット曲15曲のメドレーによる『スーダラ伝説』も収録されているので、十分にクレージーサウンドの奥行きを感じることができます。
もしお金に余裕があるのなら、いっそのこと『クレージーキャッツ デラックスボックス』を買うのも手です。

【Q20】『クレージームービーズ』ってCDがあったんだけど、これって?
クレージーのメンバーが主演した映画が各社またがってつくられていたのは前に述べましたが、このCDには東宝クレージー映画をはじめ、松竹・大映・日活のサントラ音源を集めた、まさにファン垂涎のマストアイテムです。
挿入歌はもちろん、東宝クレージー映画に関してはテーマミュージックまで収録されているという周到さ。映画の中でしか聴けない楽曲もかなり多いので、「ちょっくらクレージーソングを極めてみるか」とお考えの方はぜひ。


とりあえずここまで。さぁこの調子で【Q100】まで行こう!